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  • 9/4(金)開催「NOAH×MFT presents Music Creators Workshop【作曲編】 バンドマンよ、偶発の1曲に頼るな~型を作って、型破れ~」多田慎也×伊橋成哉

    9月4日、サウンドスタジオノア高田馬場店にて、多田慎也と伊橋成哉によるワークショップ『NOAH×MFT presents Music Creators Workshop【作曲編】 バンドマンよ、偶発の1曲に頼るな~型を作って、型破れ~』が行われた。

     同ワークショップのタイトルは、伊橋いわく「型を作らないと型なしになる」という中村勘三郎氏の名言をオマージュしたもの。バンドマン時代にこれを理解しているのとしていないのでは大きな違いがあるということから、受講生に講義を通じて自分の型を作ってもらおうという目的があり、開催に至ったという。講義内では、多田と伊橋によるトークセッションのほか、受講生から提出された楽曲を添削する「オリジナル楽曲添削」のコーナーや、「質疑応答」などが行われた。

    冒頭に行われたトークセッションでは、多田と伊橋が“型を作ること”へのアドバイスを伝授。まず伊橋は「昔のデモを聞くとはっきり分かるけど、大衆向きじゃないものばかりだった。目立つために変わったことをしていても、やりすぎると聴いた側が『ハッ』としてくれない」と述べ、その“やりすぎ”を確認する方法として、「翌日、自分のメロディーが歌えるかどうか。あと1時間後にコンビニにいって、ほかの曲を聴いて帰ってきても、そのメロディが歌えたらバッチリ」と語った。

    また、多田は型を作るために大事なものとして「構成力を上げ、伊橋の楽曲を例に「“いいトップライナーはBメロが短い”という持論があるんだけど、伊橋くんはBメロをシンプルにしたがるから、まさにそれに当てはまるんです。Aからサビ終わりまでは1分半がベストだと思っている」と語ると、伊橋は「構成といえば、AメロBメロをUKっぽくして、サビでボン・ジョヴィ感を入れたらJ-POPになると教えられた」ことを明かした。

     続けて“型を壊す”ことについて、多田は「作曲をする時、ジャンルへ固執のある人がおおい。トップラインを描くときはそれを捨てると、どんなジャンルのオケであっても「いい曲」になる。」と前置きしたうえで、「A→B→サビの構成をいかに壊すか」と述べ、「頭サビ→A→B→B2→サビ→サビのまとめ的なメロディという構成でもいいと思う。」と語った。

    楽曲添削では、アイドルグループに楽曲提供したことのある受講生や、ストレートなロックバンドのコンポーザーなど、多種多様なラインナップの提出曲が集い、多田と伊橋はそれぞれの楽曲について、ときに辛口で、ときに優しくコメントし、楽曲がもっと良くなるよう、ピンポイントにアドバイスを送った。

     また、質疑応答では、「メロディを作っては壊しで時間がかかってしまう。どういう風に取捨選択すればいいですか?」という悩みに対し、多田が「判断は理論ではなく感覚でするようにしています。僕自身は“曲が降ってくる”って表現を信じていなくて、自分の中で思いついたものを、いくつかのメロディーパターンを取捨選択しているだけだと思うんです。だから、そのセレクトにおいて判断は感覚で下すことを絶対にしているし、どうしてもその判断ができなければ、例えば寝るとか、出かけるとか、飲みにいくとかそういうクリエイティブとは全く関係のない動作を挟んで、そののちにどっちがいいか決める」とコメント。

    続いて伊橋が「歌詞が先にある場合、メロやコードの置き方で大事なポイントは?」という質問に対し、「サビを作る時に歌詞と同じイントネーションのデタラメ英語を言いながら書くと、思いがけないメロディが閃くことがある」と、自身の経験をもとに語ると、多田は「イントネーションには基本的には逆らわないほうがいい。自分の中にメロディーの複数のパターンを作れたなら、歌って一番気持ちいいのを採用するべき」と、こちらもシンガーソングライターならではのアドバイスで、受講生にヒントを与えるなどした。

     最後に伊橋が「飲み会の雰囲気でできた」と語るなど、アットホームな空気で進行し、存分に楽曲制作の裏側について明かした今回のワークショップ。受講生が満足な表情で帰宅の路に付いている様子も多く目に付いた。



    >過去のワークショップレポート

    2015.11.09

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