Music Factory Tokyo

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  • 『多田慎也の“リアル”DEMOゼミ 1st Workshop Event –あなたのトップラインを最高峰(トップライン)へ-』
     ギタリストのための音楽制作マガジン「SOUND DESIGNER」と、今まで数々のワークショップを開催してきたMusic Factory Tokyoによるコラボレートイベント『SOUND DESIGNER×Music Factory Tokyo presents「多田慎也の“リアル”DEMOゼミ 1st Workshop Event –あなたのトップラインを最高峰(トップライン)へ-」』が2018年3月9日に開催された。

     今回は「SOUND DESIGNER」に連載中のコーナー「多田慎也のDEMOゼミ」のリアルイベントとしてのワークショップ。勿論この日の講義では、その連載コーナー名にもなっている、数々のヒットソングを手掛けてきた音楽プロデューサーの多田慎也(※以下、多田)が登壇。
    多田の《DEMOゼミ読者に会いたい!》という一言から始まったこのイベント。記念すべき第一回目の開催となる今回、多田からアドバイスを受けることができるのは“今までに投稿のあった読者”からの抽選となった。
    選ばれたのは、kotaroさん(最新掲載回:2017年12月号)、高野和久さん(※以下、高野/最新掲載回:2017年12月号)、こばやしぱせりさん(※以下、こばやし/最新掲載回:2017年11月号)の3名。


     冒頭の挨拶で「可能性秘めた方達にお会いできて嬉しい。同じクリエイターとしてお話できたら。」と語る多田の近い距離感に、緊張していた空気も柔和していき、本編スタートへ。
    今回は事前に楽曲の書き下ろしが課題となっており、テーマとして「アイドルが歌うアップテンポ曲(ヒットを狙ってください!)」が設定された。そのテーマに則った三者三様の作品に対して、アドバイスしていくことが主な流れとなる。
    まずはkotaroの提出作品「恋のspellがmistake」から。歌謡曲的なオケと、メロディラインが印象的なこの楽曲に「テーマのアイドル曲というところで、良い具合に歌謡曲らしさがミックスされている。今の若い人たちには逆に新鮮に刺さるから、アリだと思う」と褒める多田。
    アドバイスの際には「ボトムがもっとドタドタしてしまって良いのかなと思う。サビとかウルサイぐらいで良いのかなと思う」と多田がこの日のために用意したkotaro曲のアレンジを流す。誌面でも十分な説明が施されているが、“リアル”を冠しているだけあって、伝わりやすさは誌面以上のものがある。
    更に、kotaroの音楽制作における「音楽を制作している時の耳の疲れをどうしたら」という悩みに「“このプレイバックでは何を聞こう”というのを意識してプレイバックして、無駄なプレイバックを減らすことで疲れは軽減する」とアドバイス。他にもいくつかの悩みに返答したが、プロの体験談が言葉に説得力を持たせる。


     続いては高野の提出曲「旋回ノイズ」。滾るパワーと、リズムの展開が印象的なこの楽曲にはシンプルに「好きです!負けた!」と表現するほどに褒める多田。「アイドルヒット曲と言っているのに“これはアリだな!”という角度で来ているのが、男女問わずすごく良い」と評価。
    「コーラスワークもしっかりしている」と話しつつ「Aメロで二回しするのであれば、2回目はコーラスを更に重ねて展開をつけた方が良い」と、やはりこの日のために多田が録って来た多田によるコーラスパートを披露。「すごい…」と感動する高野に、更に「サビに向かってウーアーコーラスを二声でも重ねていくと期待感を煽れる」と、ここでも多田コーラスを使ってアドバイスした。
    歌詞に対する不安にも「“旋回する飛行船”って一回聞いただけだと“は?”ってなる。実はそれがすごく大事。それに付け加えて人称と、その人称に対する語尾や内容の整合性が取ることが出来ていれば良いと思う」と大凡の歌詞の良さを指摘しつつ、今後に活かせるように解説。
    他にもこの日しか聞けないマル秘が続々と飛び出していき、高野は勿論、他の参加者にとっても貴重な時間となった。


     この日最後にアドバイスを受けるのは、こばやしの「にゃん-ニャン-Nyan」。サビメロを「ニャン」だけで押し切る圧倒的なキャッチーさが印象的なこの楽曲に「意外ですごく良い!Bメロの流れ自体もすごく良いなと思う」と称賛。
    印象的なサビに関しては「メロの追っかけにどっちかにコーラス、どっちかをドライなどして、歌う側とファン側の役割を明確にすると、DEMOを提示する段階で伝わりやすくて、更に良くなると思う」とアドバイス。
    イントロのサブドミナントマイナーを「すごく良い」としながらも、「イントロのラスト1小節に、アイドルが走り出していくようなリズムの変化があると良いと思う」と指摘。
    間奏のロックンロールへのアプローチを評価し、「例えばイントロのサブドミの後にそのアプローチが来てもハマると思う」と多田視点でのアイディアを出した。


     今回一人当たりの時間は20分で設定されていたが、多田と3人の熱意もあり、全体の終了時間を大幅に押して本編を終了した。
    楽曲へのアドバイスは勿論のこと、普段明かされないような秘話まで飛び出し、非常に濃密な時間となったワークショップだが、最後に「多田慎也のDEMOゼミ」でお馴染みの、多田がアドバイスのまとめに使う《○○すべし!》を一人一人へポストカードに直筆・手渡しでプレゼントするという、嬉しいサプライズで締められた。

    2018.04.09

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